怒りの取り扱い方1(超初級)
怒りの取り扱い方2
怒りの取り扱い方3(抗不安薬、必要!?)
(薬、怖いのですが)
↑
薬に抵抗があるのはもちろんです。不安ですよね。抗不安薬は何のために使うのかを知れば、その不安は、少しずつなくなっていきます。(参考:薬物療法は効きますよ)
【抗不安薬の使用目的】
1 ストレスの増幅と飛火を止める
2 脳を休ませる
さて、抗不安薬は、ストレス管理の初期治療に大きな効果を発揮します。以下に、ストレスに関する治療過程を以下に示します。(参考:怒りの取り扱い方)
1 本当の原因
(具体的な事象:パワハラ上司)
↓
2 ストレス・怒りの発生
(二次的な感情:つらい・・・)
↓
3 ストレスの増幅と飛火
(本当の原因以外にもキレる:家族にあたる)
↓
4 社会的破綻
(信頼を失う、仕事・家族・友人を失う)
この流れを見れば、1を解決すれば良いことがわかると思います。ただ、1がすぐに解決できないから、心療内科に来ていることを考えると、第一にすべきことは、2と3を治療することです。この段階の治療は簡単です。抗不安薬で驚くほど一気に解決します。
2や3をカウンセリングで治したいと言う要望は多いのです。しかし、怒りの感情で渦巻いている状態でのカウンセリングは効果が薄いです。錯乱状態の患者様のそばで優しく語りかけるより、薬で落ち着かせるのが先だからです。
(錯乱してませんけどっ!)
たしかに、見た目は錯乱状態ではないかもしれません。しかし、頭の中は、怒りと憤りで渦巻いてませんか。休日も、仕事の嫌なことばかり考えて、全くリラックスしていないですよね。その状態ではクリアな思考ができません。錯乱状態と一緒です。「ぐるぐるアタマ」では妙案は浮かばないのです。錯乱状態で下した決断は、冷静な状態での決断と比べ、劣ります。良い結果をうまないということです。
つまり、錯乱した状態でカウンセリングを受けても、最も良いゴールに向かう決断ができないのです。先ずは、落ち着きましょう。
(薬じゃ、本当の原因が解決できないでしょう?)
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本当の解決は後で良いんです。
「ぐるぐるアタマ」をリセットします。怒り、ストレス、憤りで「ぐるぐるぐるぐる考え続けること」は、「脳」そのものに悪影響です。本当の原因は未解決かもしれませんが、「脳」を休ませることが、抗不安薬の効果の1つです。アプリを全部落とし、フリーズした脳を一旦休ませるのも、大事な治療です。(再掲:薬物療法は効きます)
池田郵便局内のポスター枠を4枠に増やしました。掲載場所は、各郵便局が決めるらしいです。まさかの集中掲載となっています。今日は、そのまま石橋駅まで歩いて帰ります。(現在、広告は終了しています。ひっそり診療するには十分に認知されてきたと感じます。今日は、川西能勢口経由で、宝塚までリフレッシュしてきます。)
怒りの取り扱い方1(超初級)
怒りの取り扱い方2
怒りの取り扱い方3(抗不安薬、必要!?)
怒りの取り扱い方1(超初級)で、6秒ルールを紹介しました。
怒りは感情であり、怒りの発生から6秒経つ間に、怒りそのものが小さくなっていく。よって、怒ったら6秒待ち、怒りを静まらせる・・・。これが、多くの本に書いてある、一般的な方法です。
(嘘くせー、絶対効かねー)
その通りです。精神科医が言うのもなんですが、6秒ルールなんて効くはずありません。ただの詭弁です。むしろ怒りを助長させます。
(待ってました。ホントの方法、教えてくれ〜)
【怒ったら、負け】
怒りを発生させた時点で、怒りのコントロールができなくなります。手っ取り早く鎮めるには薬しかありません。
二酸化炭素も、怒りも、発生させない、つまり、Zero emissionが基本です。
(そもそも、怒らない方法って、あるんですか?)
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あります。今後の怒りの取り扱い方で紹介します(→怒りの取り扱い方3)。
時々、ふらっと寄る街、池田栄町商店街。川西能勢口駅から歩いて行くと、程よい休憩場所になります。そして、石橋駅まで更に歩く(健康!)
怒りの取り扱い方1(超初級)
怒りの取り扱い方2
怒りの取り扱い方3(抗不安薬、必要!?)
アンガーコントロール、アンガーマネージメント、最近聞いたことはありませんか?アンガーとは怒り、コントロール・マネージメントは管理です。平たく言えば、「怒りの扱い方」と言う意味です。
「やったー、アンガーマネージメントができれば、怒らなくて済む!、穏やかな人生を過ごせる!」
ちょっと、違います。
怒りは、生存に不可欠な感情です。怒りを0にしたら生き延びられません。(なぜ怒りが必要かは、後日書くことにします)
さて、怒りの話に戻します。
怒りはどのように生まれて、どのように消えるのでしょう。
怒りは、 こうあるべきだと期待していたことが裏切られたときに出る感情的反応です。それも、熱い鍋に触れた時、さっと手を引くような、ほぼ反射的な反応です。言い換えると、望ましくない原因が先にあり、その次に怒りの感情が湧き上がると言っても良いでしょう。
また、原因の多くは、不可避であったり、努力ではすぐに改善しないものです。例えば、嫌味な上司をすぐに異動させることはできませんよね。見方を変えれば、原因を取り除けないからこそ、怒りの感情が湧き起こるのかもしれません。
怒りは6秒で消滅する。
これが、怒りの管理に最も重要なキーワードです。怒りは、反射的反応だからこそ、6秒待てばおさまるのです。
「嘘言うな(怒)、色んなことに腹が立って、四六時中イライラしてるんだよ、バカやろー」ですって?
たしかに、怒りが6秒以上続いているようにも見えます。四六時中イライラしている人は、突発的な怒りが、次の怒りを生み、その怒りがより大きい怒りを生む、負の連鎖に至っていると言えます。
これが「四六時中、怒っている」状態です。この悪循環の中では、ご自身も辛いし、周囲にも悪影響を与えています。その結果、友達が離れて行ったり、仕事を失ったりすることに繋がりそうですよね。そこを修正するのが精神科医です。
まとめますと、アンガーマネージメントの真の目的は以下です。
「信用を失わない技術を身につけること」
「おいおい、原因はどうするんだぁ?嫌味な上司は、明日も会社にいるぞ」
こんな声が聞こえてきました。確かに、本当の原因を取り除けていません。でも、それは、後回しにできる問題であることを診察室で学びます。
0 怒りの原因:嫌味な上司がいる
(自分の影響力の外にあるから、今は置いておく)
1 怒りの感情
(自分の影響力の中にあるから、
管理できる可能性がある)
2 怒りの悪循環(を断ち切るのが精神科医の仕事)
(怒りが怒りを生み、お客さんの前で暴言を吐く、
家族に辛く当たる、浪費する、
浮気する、ギャンブルにはまる…。)
3 悪循環の結果(避けるべき結末)
(信頼を失う、職や家族を失う、
大切な人が離れていく…)
0が原因であるのに、3の結果になることは無意味です。もちろん、仕事が嫌であるならば、職を変えてもいいと思います。ただ、仕事を失いたいわけではなく、上司が嫌いなだけで、職や家族を失うのは、望ましい結果ではありません。
怒りの悪循環に至っている方は、メンタルクリニックで、負のスパイラルを断ち切りましょう。
診察室では、超上級の「怒りのzero emission」に向けて、段階的に学習していきます。(→怒りの取り扱い方2)
今日は、大阪の都市部でも、雪が積もりましたね。JR川西池田駅から川西能勢口駅まで、散歩してみました。たくさんの雪だるまが、にっこり微笑んでくれました。