医学生を「先生」と呼ぶ

 
 
医者は、若いときから「センセイ、センセイ」と呼ばれ、感覚が麻痺している・・・、と思っている方もいるのではないでしょうか。
 
 
 
 
(わかる~)
 
 
 
 
若い医者どころか、医学生の時代から「センセイ」と呼ばれています!
 
 
 
 
(何だってー!)
 
 
 
 
例えば、医学科の講義中…
講師「えー、センセイ方が、医者になるときは、・・・」
講師「センセイさ、こんなんじゃ、単位あげられないよ」
 
 
こんな感じで、センセイ、センセイと呼ばれます。もちろん、「おい、学生」と呼ぶ先生もいますが、総じて「センセイ」と呼ばれます。
 
 
 
 
(感覚ズレてる、ズレるはずっ!)
 
 
 
 
たしかに「学生時分から、センセイとは、けしからん」と思う方もいらっしゃるでしょう。でも、このセンセイは、ただの・・・、
 
 
 
 
二人称
 
 
 
 
です。あなた(you)と同じ使い方です。つまり、このセンセイは敬称ではなく、ただの二人称なんです。
 
 
 
 
(そ~ゆ~文法用語を使われてもわかませんから)
 
 
 
 
 
ちょっと解説すると、「あなた」と言う言葉は、目の前にいる人を呼ぶときに使います。目の前の人を呼ぶときに使う言葉が二人称(あなた)だと思っておいてください。
 
 
 
 
(そこまではわかった)
 
 
 
 
ちなみに、日本語では、あなた(二人称)をほとんど使いません。
 
 
 
 
(どういうこと?)
 
 
 
 
お店の人から、「あなたはどのメニューになさいますか」と言われたらどうですか。
 
 
 
 
(敬語を使っている割に、何か腹が立つね)
 
 
 
 
そうなんです。日本語では二人称(あなた)をほとんど使わないんです。
 
 
 
「あたなは、どうなさいますか」ではなく、「お客様は、どうなさいますか」と言うように、丁寧さの観点から、あなた(二人称)を極力使わないのが普通です。あなた(二人称)を使うときは他意がある時です。だから、面と向かって「あなた」と言ってはいけないんです。
 
 
 
 
 
(「あたな」と面と向かって言われたら、何か腹立つのはそのせいか〜)
 
 
 
 
そこで「センセイ」です。便利な言葉です。医学生を呼ぶときだけではありません。医者同士、名前を忘れても、「あっ、センセイ、どうも」と言えば乗り切れます。
 
 
 
 
ただ、私が医者だとわかっているお店の店長から、「あっ、センセイ、毎度っ」と言われると困ってしまいます。足が遠のきます。「○○様、毎度っ」と言われる方が嬉しいです。
 
 
 
 
(名前で呼んでほしいってこと?)
 
 
 
 
もちろん名前を覚えてもらってない寂しさはあります。でも、それ以上に大事な願望があります。
 
 
 
 
(何、なに?)
 
 
 
 
属性で呼んでほしくないってことです。
 
 
 
 
(難しい言葉は使わないでっ!)
 
 
 
 
「センセイ」と呼んで、他のお客さんに、私の情報を流さないで欲しいってことです。
 
 
 
 
(センセイと呼ばれて嬉しくないんだ)
 
 
 
 
少なくとも仕事中以外は嬉しくないですね。
 
 
 
 
白衣を脱いだら、ゆったりとした時間を楽しむときです。一時的に自分の属性から離れたい、そんな願望があります。
 
 
 
 
(いつも白衣着てないでしょっ)
 
 
 
 

 
 
 
 
会話の内容から「属性」がバレた、つまり、「こいつ医者だ」と判明したとしても、「センセイ(属性)」と呼ばないお店は良い店です。そういう店主のお店は、料理も美味しく、気配りも心地よい、そう思って間違いないです。
 
 
 
 
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” Hey, Do you guys V ・・・? ”
 
 
 
 
北米のメディカルスクールに行っていた頃、向こうの先生は、you guysを使って、講義中、私たち医学生に話しかけていました。今考えると、かなりフレンドリーな言い回しです。
 
 
 
 
・・・今日も診察後は、しれっと、自分の時間を楽しむことにします。川西能勢口や池田付近では、私の属性が知られていなので、ゆったりと過ごせています。
 
 
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医学生になった実感は、解剖実習に先立って行われた骨学。ガイコツじゃなくて、トウガイコツ(頭蓋骨)なんだと知る。
骨学 解剖実習 医学生