怒りの取り扱い方1(超初級)
怒りの取り扱い方2
怒りの取り扱い方3(抗不安薬、必要!?)
アンガーコントロール、アンガーマネージメント、最近聞いたことはありませんか?アンガーとは怒り、コントロール・マネージメントは管理です。平たく言えば、「怒りの扱い方」と言う意味です。
「やったー、アンガーマネージメントができれば、怒らなくて済む!、穏やかな人生を過ごせる!」
ちょっと、違います。
怒りは、生存に不可欠な感情です。怒りを0にしたら生き延びられません。(なぜ怒りが必要かは、後日書くことにします)
さて、怒りの話に戻します。
怒りはどのように生まれて、どのように消えるのでしょう。
怒りは、 こうあるべきだと期待していたことが裏切られたときに出る感情的反応です。それも、熱い鍋に触れた時、さっと手を引くような、ほぼ反射的な反応です。言い換えると、望ましくない原因が先にあり、その次に怒りの感情が湧き上がると言っても良いでしょう。
また、原因の多くは、不可避であったり、努力ではすぐに改善しないものです。例えば、嫌味な上司をすぐに異動させることはできませんよね。見方を変えれば、原因を取り除けないからこそ、怒りの感情が湧き起こるのかもしれません。
怒りは6秒で消滅する。
これが、怒りの管理に最も重要なキーワードです。怒りは、反射的反応だからこそ、6秒待てばおさまるのです。
「嘘言うな(怒)、色んなことに腹が立って、四六時中イライラしてるんだよ、バカやろー」ですって?
たしかに、怒りが6秒以上続いているようにも見えます。四六時中イライラしている人は、突発的な怒りが、次の怒りを生み、その怒りがより大きい怒りを生む、負の連鎖に至っていると言えます。
これが「四六時中、怒っている」状態です。この悪循環の中では、ご自身も辛いし、周囲にも悪影響を与えています。その結果、友達が離れて行ったり、仕事を失ったりすることに繋がりそうですよね。そこを修正するのが精神科医です。
まとめますと、アンガーマネージメントの真の目的は以下です。
「信用を失わない技術を身につけること」
「おいおい、原因はどうするんだぁ?嫌味な上司は、明日も会社にいるぞ」
こんな声が聞こえてきました。確かに、本当の原因を取り除けていません。でも、それは、後回しにできる問題であることを診察室で学びます。
0 怒りの原因:嫌味な上司がいる
(自分の影響力の外にあるから、今は置いておく)
1 怒りの感情
(自分の影響力の中にあるから、
管理できる可能性がある)
2 怒りの悪循環(を断ち切るのが精神科医の仕事)
(怒りが怒りを生み、お客さんの前で暴言を吐く、
家族に辛く当たる、浪費する、
浮気する、ギャンブルにはまる…。)
3 悪循環の結果(避けるべき結末)
(信頼を失う、職や家族を失う、
大切な人が離れていく…)
0が原因であるのに、3の結果になることは無意味です。もちろん、仕事が嫌であるならば、職を変えてもいいと思います。ただ、仕事を失いたいわけではなく、上司が嫌いなだけで、職や家族を失うのは、望ましい結果ではありません。
怒りの悪循環に至っている方は、メンタルクリニックで、負のスパイラルを断ち切りましょう。
診察室では、超上級の「怒りのzero emission」に向けて、段階的に学習していきます。(→怒りの取り扱い方2)
今日は、大阪の都市部でも、雪が積もりましたね。JR川西池田駅から川西能勢口駅まで、散歩してみました。たくさんの雪だるまが、にっこり微笑んでくれました。
怒りの取り扱い方 1(超初級)