医系小論文対策シリーズ
 第1回 医は仁術かつ算術
 第2回 宝塚と言えば、宝塚歌劇団?!
 第3回のトピックは新聞です。
 
 
 
 
結論から言います。
 
 
 
 
新聞を読むとバカになります。
 
 
 
 
(この医者は、またおかしなことを言ってるよ)
 
 
 
 
「おかしなことを言っている」と感じたということは、ちょっとは関心を持ってくれたようですね。狙い通りです。
 
 
 
 
それでは、このおかしな主張を相手に納得させるには、どうしたらいいでしょうか。それを考えるのが医系小論文対策シリーズです。先ずは、以下のような論を展開させます。
 
 
 
 
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1 非常識な結論を提示する。
 新聞を読むとバカになる(何で?何で?と読者の気を引く)
 
2 常識の確認
 新聞を読むと為になる(親や教師からよく言われた)
 
3 常識の否定
 記者は野次馬のプロであり、その分野の専門家ではない。実務経験もない。言い換えれば、記者は素人である。素人が書いた文章は正確ではないこともある。
 
4 非常識な結論を再度強調する
素人が書いた不正確な記事を鵜呑みにするとバカになる
 
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(新聞は、必ずしも正しいことを書いてないってこと?)
 
 
 
 
その通りです。
 
 
 
 
新聞記者(素人)が書いた医療記事を読むたびに、多くの医者はため息をついています。実情に沿っていないからです。
 
 
 
 
医者(わかる~)
 
 
 
 
(たしかに記者は素人だからね)
 
 
 
 
その通りです。記事の内容に関して、専門教育を受けてなく、かつ実務経験も一切ありません。
 
 
 
 
(そんなんで、よく書けるね、記者は)
 
 
 
 
その通りです。きっちり、ちゃんと書けてないです(笑)。でも、ここが新聞記者の存在意義でもあります。新聞記者は野次馬の天才なんです。
 
 
 
 
(それ、褒め言葉じゃないからっ笑)
 
 
 
 
いや、新聞記者は、そう言われて嫌な気はしないと思います。「バレたか〜」とは思うかもしれませんが・・・。
 
 
 
 
(馬鹿にしてるでしょっ笑)
 
 
 
 
いいえ、新聞を鵜呑みにすると馬鹿になると言ってます。
 
 
 
 
(上手く逃げたねっ)
 
 
 
 
野次馬の天才(新聞記者)の名誉のために言うと、記事の内容はそんなに悪くないです。経験したことがない分野を取材だけで書いた割には、ちゃんと書けていると思います。そこが記者の記者たる所以です。
 
 
 
 
(上から目線が過ぎるでしょっ!)
 
 
 
 
勿論、上からです。ジョジョ風に言えば「貧弱!、貧弱ゥ!」
 
 
 
 
ジョジョ愛は分かったから)
 
 
 
 
医療分野に関しては、記者より医者の方が段違いで知識も経験もあります。
 
 
 
 
(だからこそ、新聞の嘘を見抜けるんだっ!)
 
 
 
 
その通りです。嘘を見抜くだけじゃないです。
 
 
 
 
(えっ、まだあるの?!)
 
 
 
 
記者の意図、つまり、新聞社の意図が見えます。
 
 
 
 
(新聞社に意図なんてあるの?)
 
 
 
 
勿論あります。何のために嘘や誤りを使うのか、そこには理由があるからです。
 
 
 
 
(たしかに、理由なく嘘をつくなんてありえない)
 
 
 
 
新聞社の仕事の1つに、お上の意向を効率良く国民に伝える役目があります。
 
 
 
 
(マスコミは権力者の道具でもあるんだね)
 
 
 
 
その通りです。特定の権力者が国民を洗脳する時にマスメディアは有用ってことです。
 
 
 
 
(あぁ、戦争の時もそうだった・・)
 
 
 
 
その通りです。日本史の近代史で学びました。
 
 
 
 
兎に角、権力者による洗脳から逃れるためには、新聞を鵜呑みにしない知識が必要だってことです。
 
 
 
 
(なるほど、つながってきたぞ)
(でも、今の日本は自由でしょう!時の首相の批判しても逮捕されないじゃんっ)
 
 
 
 
確かに、逮捕はされないですね。
 
 
 
 
因みに、国境なき記者団が発表した報道の自由度ランキング2017によると、日本は前年61位から後退し72位/180カ国です。「日本は自由だ!」なんて、ホントでしょうか。「記者クラブ 問題」でググってみてください。言いたいことも言えない世の中です・・・涙
 
 
 
 
(えー、知らなかったっ!)
 
 
 
 
(熟考中)
(熟考中)
(熟考中)
 
 
 
 
(あー、わかってきた。「新聞=真のジャーナリズム」と盲信すると、新聞記事を鵜呑みにしてしまう。その結果、それが洗脳記事かどうかを判断できない。)
 
 
 
 
その通りです。
 
 
 
 
(もっと、わかってきたぞ。特定の分野を熟知したら、その分野の記事の嘘や誤りを見る抜けるんだ。そして、新聞に嘘や誤りがあると実感できれば、自分が不慣れな分野の記事を読む時でも、ひょっとしたら、嘘や誤りが無いかと批判的に読めるんだ。
 
 
 
 
その通りです。
 
 
 
 
(完全に理解したぞ。嘘や誤りを見抜けば、新聞社の意図が分かるんだ。特定の権力者による洗脳を回避できるかもしれない!)
 
 
 
 
Excellent!
 
 
 
 
それでは実例を示します。この文章の最後に解説を加筆したものを再掲します。

診療報酬 医師人件費 厚労省 医療費削減
2017年10月30日日経新聞朝刊

(同じ記事の中なのに、診療報酬が2つの意味で使われてるね)
 
 
 
 
そうですね。特に、グラフの中で「診療報酬=医者の人件費」としているところが最も悪質です。言っておきますが、診療報酬改定の度に、我々医者の給与は変わっていません。
 
 
 
 
日経新聞あるあるですが、日経は「騙すグラフの作り方」がエゲツない印象です。経済記事も同様に注意!日経だから経済記事は正確だと思ったら大間違いです。記者は経済にも素人です。経済系の教授に聞いてみてください。
 
 
 
 
(なるほど、「日経読んで社会人」だと思ったら痛い目にあうね)
 
 
 
 
その通りです。批判的に吟味するのがベースラインです。正しい定義は以下。
(正)診療報酬=医療サービスの公定価格
(誤)診療報酬=医者の人件費
 
 
 
 
(医者は高給取りなイメージがあるから、腹立つよね)
 
 
 
 
その通りです。その悪いイメージを利用して、国民を洗脳するために「診療報酬=医者の人件費」と言った悪意のある言い換えをしているのです。
 
 
 
 
(今回の洗脳の目的は何なの?)
 
 
 
 
ズバリ、医療費削減です。
 
 
 
 
診療報酬の大部分は国が負担しています。財政健全化のために、増え続ける医療費を削減したいのです。
 
 
 
 
(じゃ、すればいいじゃん)
 
 
 
 
していいんですか?
 
 
 
 
(いいですよっ)
 
 
 
 
診療報酬が下がれば、国全体の医療費が下がります。患者の窓口負担も減ります。それでもいいですか?
 
 
 
 
(良いこと尽くめじゃんっ)
 
 
 
 
加えて、安かろう悪かろうの医療になりますよ。因みに、診療報酬が下がっても、国民の負担は増えるでしょう。超高齢化社会です。医療費は決して減りません。これからの時代、税金・社会保障費をたんまり搾り取られたとしても、受ける給付は縮小し続けます。
 
 
 
 
(えー、それはダメ、絶対)
 
 
 
 
そうですよね。診療報酬を下げたって安かろう悪かろうの医療になるなら、国民が許すはずないです。
 
 
 
 
(許しません。今の安かろう良かろうの医療水準でお願いしたいです)
 
 
 
 
そうですよね。だから、診療報酬を下げる、医療費を下げる政策は、国民の支持を得にくいんです。
 
 
 
 
(熟考中)
(熟考中)
(熟考中)
 
 
 
 
(あー、わかったぞ。「診療報酬=医者の人件費」と悪意ある言い換えをすれば、高所得者の医者を懲らしめるために「医者の給与削減」と国民が賛成してくれるんだ。国の本当の目的は痛みを伴う医療費削減なのに、まんまと騙されてしまう)
 
 
 
 
その通りです。ただ、医者を懲らしめるつもりが、自分の首を締めることになります。それに気づいてない状態に誘導されたのです。これが、新聞社がよく使う洗脳の一例です。
 
 
 
 
(うぐ〜、他にも騙されているところがあるんだろうなぁ、悔しいー)
 
 
 
 
その通りです。いっぱいあると思って間違いないです。気づいていないだけです。心地よく騙されているだけです。
 
 
 
 
(こわ~)
 
 
 
 
だから、新聞記者は天才だと言ったでしょ。
 
 
 
 
先ずは、自分の得意とする専門分野の記事を読み、新聞記者の嘘を見抜きましょう。それから、非専門分野の記事にも「嘘がきっとあるはずだ」と批判的に記事を読みましょう。
 
 
 
 
(先ずは、自分の得意とする分野があると良いんだな)
 
 
 
 
最後に、今回の実例にコメントしたものを再掲します。緑の大枠内を読めば、この新聞記事の問題点がつかめます。
日経新聞 診療報酬 医師の人件費
2017年10月30日日経新聞朝刊

石橋駅から箕面駅までが最近のお気に入りです。ちょうどよい距離。箕面でお茶も出来ます。スポーツの秋ですねぇ。
 
 
 
 

 
 
阪急宝塚線沿線なら、宝塚と言えば、宝塚歌劇団でしょう!
 
 
 
 
(大好きー!)
 
 
 
 
電車の中吊り広告は、いつも、宝塚歌劇団でいっぱいですよね。華やかでいいものです。
 
 
 
 
加えて、気になるのが、手塚治虫先生です。宝塚は手塚治虫先生ゆかりの地で、宝塚市立手塚治虫記念館があります。
 
 
 
 
宝塚線には、手塚治虫先生のキャラクターが電車の外装に貼られていて、堪りません。今の子供より大人に大人気なはずです。
 
 
 
 
(あのプリントシール、いいよね~)
 
 
 
 
鉄腕アトム
ブラックジャック
火の鳥
三つ目がとおる
リボンの騎士
・・・
 
 
 
 
その中で、ブラックジャックについて少々お話します。
 
 
 
 
(あの天才外科医。貧しいし人からお金を取らないっ!)
 
 
 
 
いいえ、違います。よくある誤解です。
 
 
 
 
えー、違うのっ!
 
 
 
 
「子供を医者にしたい」家庭では、ブラックジャック全巻を揃え、読ませている親御様もいらっしゃるでしょう。今一度、精読をお勧めします。ブラックジャックは、患者全員から、大金を巻き上げています。
 
 
 
 
(うそ~!?)
 
 
 
 
それでは、ブラックジャックが、患者全員から、大金を巻き上げている件について。
 
 
 
 
(んなこたない、貧しい子供は無料でしょ!?)
 
 
 
 
たしかに、お金を受け取らないこともあります(10円のときも)。しかし、命の対価として、それ相当なものを毎回要求していることに気づきませんか。
 
 
 
 
(え、それ相当なものとは?)
 
 
 
 
それは、その人の一番大事なものです。それと引き換えに、ブラックジャックは命を救っています。
 
 
 
 
(一番大事なものって???)
 
 
 
 
いちばん大事なものとは、
 金持ちなら、全財産
 政治家なら、全権力
 芸術家なら、全才能
 貧しい人なら、生きる続ける覚悟
 犯罪者なら、永遠の謝罪
 傲慢な人なら、永遠の後悔
 ・・・
 
 
 
 
ブラックジャックは、お金と絡めて解釈されることが多いですが、そもそもお金って何でしょうか。
 
 
 
 
(お金って、生きるのに必要なもの?!)
(本当はいっぱい欲しいけど、お金お金とは言いにくい)
(お金持ちは、何か嫌い)
 
 
 
 
そうなんですよね。お金を汚いものとして教え込まれることが多いので、お金は誤解されています。医は算術と言うと、多くの人が「イラっ」と反応してしまうのもわかります。
 
 
 
 
お金は信用を媒介する道具に過ぎません。現代では、記号と言ってもいいでしょう。硬貨・紙幣(道具)がなくても信用を記号で数値化できます。つまり、お金そのものより、その根拠である信用が大事なんです。
 
 
 
 
ブラックジャックは、治療費としてお金を要求しているようで、実は信用を要求しているのです。だから、貧しいかは関係ありません。お金がない人からも、キッチリ信用を取っているのです。
 
 
 
 
(信用を取るなんて、ますますわかんねー)
 
 
 
 
ちょっと、難しいですよね。ここで言う信用とは、ブラックジャックとの約束です。生きる覚悟を約束することになります。
 
 
 
 
わかりやすく言えば、以下のような約束を強要されているようなものです。
「治す代わりに、お前の一番大事なものをもらうぞ」
「一番大事なものを失っても、生きる続けるんだぞ」
 
 
 
 
この約束を守ることが信用であり、ブラックシャックが求める”お金”なのです。
 
 
 
 
だから、治してもらったがゆえに苦しみの一生を送るストーリーもあります。それは、ブラックジャックとの約束(信用)を守ることが死ぬほど辛いからです。一方、大事なものを失っても、新たな生き甲斐を見つけ人生を楽しむストーリもあります。
 
 
 
 
兎に角、ブラックジャックに対する一般的なイメージは、大きく間違っています。ブラックジャックは、技術を盾に、法外なお金を要求しているようで、実は、ブラックジャックの信念を押し付けてくるのです。そして、その信念の根拠が、正論だったり、ブラックジャックの皮肉であったり、一定でない所が、外科医ブラックジャックの魅力をより深くしていると思います。
 
 
 
 
この記事を参考に、今一度精読してみてください。新たな発見があると思います。医系小論文の題材のヒントになるかもしれません。
 
 
 
 
因みに、ブラックジャック本人も、命を救われた対価として一生ものの覚悟を背負いました。その覚悟がブラックジャックが支払った対価(治療費)だと読み解けていれば、他のストーリーも同様に読み解けるでしょう。
 
 
 
 
なお、ブラックジャックの命の恩人は、天才外科医の本間丈太郎先生(御茶ノ水博士でも猿田博士でもない*)と黒人ハーフのタカシです。(*スターシステムで検索)
 
 
 
 
以下、ネタバレ注意です。ブラックジャックが、命と引き換えに支払った対価(生きる覚悟)を解説します。
 
 
 
 
ブラックシャックは幼少の頃、杜撰な工事によって引き起こされた不発弾爆発事故で瀕死の重傷を負います。一緒にいた母親はその時亡くなりました。ブラックジャックの手術を担当したのが天才外科医本間丈太郎先生でした。
 
 
 
 
手術は難航しました。心配してクラスメイトが大勢集まりましたが、皮膚移植の提供者を募るとみんな帰っていきました。そこに一人だけ残ったのが、黒人ハーフのタカシでした。
 
 
 
 
「ぼくの使っていいよ」
 
 
 
 
タカシの臀部から皮膚が採取され、ブラックジャックの顔面に植皮されるのでした。術後、半身に麻痺が残りましたが、ブラックジャックは死にものぐるいのリハビリで回復するのです。
 
 
 
 
(で、ブラックジャックは何を対価として払ったの?)
 
 
 
 
血の滲むようなリハビリであったり、
顔の黒い皮膚だったり、
孤高の医者として生きていく人生です。
 
 
 
 
後日談として、ブラックジャックの恩人に対する感謝を示すストーリー、生き悩むストーリーがあります。
 
 
 
 
色の違う顔を戻す手術を進められても、ブラックジャックが応じなかったのは、(実際は交わしたわけではないが)タカシとの約束(信用)を命の対価として払っているからです。加えて、理想の医者を目指したのは、(実際は交わしたわけではないが)本間丈太郎先生との約束(信用)を命の対価として払っているからです。
 
 
 
 
【治療の対価は、全てを失っても生きる覚悟】
 
 
 
 
命が助かったのに生きる辛さを味わうジレンマは、漫画ブラックジャックの根底にある思想です。
 
 
 
 
手元に漫画本はなくなりましたが、タカシ、本間丈太郎先生、実母、実父が登場するストーリーは、今読んでも沁みます。
 
 
 
 
その中で、本間丈太郎先生がブラックジャックを再手術するストーリーはシビレます。ガッツリ腹部正中切開して、肝臓を持ち上げたときの、小網(Lesser omentum)の透け感、その十二指腸側が自由縁で終わり、ウィンスロー孔(Omental foramen)の前縁となる描写がリアルです(医学生要確認)。
 
 
 
 
(そこかいっ!)
 
 
 
 
因みに、子供を医者にしたい家庭の皆様はこちらも参考にしてください。
(参考:受験は〇〇が9割)
(参考:子供に教える人生の楽しみ方)
(参考:医学部に入れたい)
 
 
 
 
この写真は川西能勢口駅です。停車時間は短いですし、乗客がいるので撮るのが難しいです。お勧めは、雲雀丘花屋敷駅です。宝塚方面の普通列車はこの駅が終点です。この駅で止まると、乗客はすぐに降車されたのち、ドアが閉まり(←ここ大事)、車庫に入るまでしばらく停車します。その停車時間が意外と長いので、被写体をじっくり選べます。
阪急宝塚線 宝塚市 川西市 川西能勢口駅 ブラックジャック 宝塚歌劇団
 
 
 
 

 
 
医は仁術、そう思います。同時に、医は算術です。
 
 
算術だとっ、けしからん医者だっ!怒)
 
 
 
 
確かに、「医は算術のみ」だったら、けしからんと思います。しかし、「医は仁術かつ算術」でなければ、人々の健康は守れないでしょう。厚労省の仕事を見てください。まさに、医は仁術かつ算術です。
 
 
 
 
国民皆保険制度維持(仁術)、かつ、保険料徴収と医療費削減(算術)
 
 
 
 
この難しいバランスを保ち続けることが、人々の健康を守ることにつながります。
 
 
 
 
(あぁ、赤ひげはいないのか〜)
 
 
 
 
いてほしいのは理解できます。ただ、医療を施すには莫大なコストがかかります。もし、赤ひげ行為をしたら、医者は医者を続けられないでしょう。
 
 
 
 
(えっ、そうなの?!何で?)
 
 
 
 
例えば、スーパー外科医が貧しい子供の手術を無料で引き受けたとします。手術は無事終わり、患者は元気になり退院しました。スーパー外科医は「いい仕事をしたなぁ」と悦に入(い)っています。後日、そのスーパー外科医に高額の請求書が届きます。
 
 
 
 
   請求書
スーパー外科医 御侍史

 手術室使用料
 麻酔機材使用料
 手術道具使用料
 病棟使用料
 薬剤使用料
 検査費用
 入院諸費用
 助手医師人件費
 看護師人件費
 麻酔科医人件費
 事務員人件費
 電子カルテ使用料
 ・・・
合計248万円也
 
 
 
 
その医者が裕福な医家出身じゃない限り、支払いはできません。医者の多くは、勉強で身を立てたサラリーマンの子供です。
 
 
 
 
(良いことしたんだから、踏み倒しちゃえば!)
 
 
 
 
踏み倒してもいいですが、もし、貴方の家族が、その手術に駆り出されて看護師だったらどうしますか。働いた分の給料が入ってこなくなりますよ。
 
 
 
 
(うぐぐ。。。)
 
 
 
 
その上、こんな言葉を投げかけられます。
 
 
 
 
スーパー外科医「赤ひげである俺様に賛同したんだろ!? 働いた分をよこせなんて、けしからん看護師だなっ。医は算術じゃない、仁術だ〜」
 
 
 
 
納得する人、いないですよ。
 
 
 
 
(確かにいません)
 
 
 
 
だから、国民皆保険があるんです。
 
 
 
 
(んっ?)
 
 
 
 
みんなで保険料を出し合って、みんなで赤ひげ先生になっているんです。
 
 
 
 
(熟考中・・・)
(熟考中・・・)
(熟考中・・・)
 
 
 
 
(あー!わかったぞ。赤ひげ先生が1人いても、その仁術は持続可能じゃないんだ。だから、国民一人ひとりが赤ひげ先生として保険料を出し合えば、国民皆保険と言う赤ひげ先生制度が出来あがるんだー)
 
 
 
 
その通りです。
 
 
 
 
今回は、医系小論文対策シリーズ第一弾です。医学部志望ならば、「医は算術」を小論文の題材として応用してみましょう。
 
 
 
 
(難しそう・・・)
 
 
 
 
意外と簡単です。
 
 
 
 
「医は算術」と言われれば、誰も感心しませんよね。たしかに、「お金で命が左右される」なんて気持ちが良いものではありません。しかし、算術の捉え方を変えることで、この一般的な認識をひっくり返します。
 
 
 
 
1 非常識な結論:医は算術かつ仁術である

「一般的にはすぐに受けいられない結論」を提示することで関心を集める。そして、それを納得させるための論を展開する。
 
 
2 常識の確認:医は仁術であるべき、算術なんて許さない。

先ずは、一般的な認識(常識)を確認する。以降、この常識が間違いであることを示す。ここでは反例を使う。
 
 
3 常識の否定(反例):赤ひげ行為は莫大なコストが掛かるので個人では持続不可能

スーパー外科医の赤ひげ行為(仁術)が、高額の請求書(算術)の前に屈した事例から、「算術なしでは仁術が成立しない」と反例を示す。
 
 
4 非常識な結論:国民皆保険は算術に基づいた仁術である

国民皆保険制度は、皆からお金を集めること(算術)によって遍く医療を施す制度(仁術)になっている。しかし、それを意識している人は少ない。ただ、説明を受ければ、誰でも、「国民皆保険は算術を前提として仁術になっている」ことを理解できる。また、3の反例だけでは、納得したくない人も、既に存在している制度の見方を変えることで「あ~なるほどね。予算(算術)が組めなければ、皆保険(仁術)を提供できないよね」と理解できる。その結果、反例だけでは納得できなかった感情が消え、論者の非常識な結論を、新たな常識として納得させることができる。
 
 
 
 
なお、「一見非常識な意見を述べているが、実は、それが、皆がまだ気づいていない真の常識だ」と結論付ける手法は、受験小論文において最も簡単に習得でき、かつ、書いてい飽きない手法です。
 
 
 
 
さてさて、今年、当院から、国立大学医学部医学科の合格者が出ました。情報開示により、小論文の点数が良かったそうです。指導していた内容の一つ「チーム医療は悪」を上手く設問に合わせられたようです。模範解答の詳細は書きませんが、論の根幹だけは書いておきます。
 
 
 
 
1 非常識な結論(真の常識):今のチーム医療は悪
 真のチーム医療には、リーダーが必要だ。そのリーダーは医師である。
 
 
2 今の常識:チーム医療こそ真実
 医師が偉いんじゃない。患者も含めた各医療者がみんなで方針を決める。チーム内に序列はない、フラットな組織であるべきだ。
 
 
3 常識の否定:今のチーム医療は機能不全
 今のチーム医療にはリーダーがいない。「リーダーを設定しないことがチーム医療に必要だ」と誤解されている。そんなチームでは、多数決で方針が決まり、責任の所在が曖昧なままとなる。
 
 
4 非常識な結論(真の常識):強力なリーダーがいるチーム医療に
 強力なリーダーが存在するからこそ迅速な意思決定ができる。かつ、その責任の所在もはっきりする。「強力なリーダーが率いる真のチーム医療が必要だ」と結論付ける。
 
 
 
 
ちょっとだけ解説
パターナリズム(医師独断)の否定からチーム医療が生まれた過程を鑑みれば、たしかに、チーム医療が今の常識です。しかし、「今のチーム医療が不完全だ」と医師は痛感しているので、「チーム医療は悪」として常識を疑うタイプの論を展開しました。一見、この結論はパターナリズムに逆戻りしているようですが、それを小気味良くかわし、真のチーム医療を納得させる展開を楽しんでいただけたらと思います(ここでは書きません)。
 
 
 
 
・・・医系小論文は指導が難しいです。と言うのも、多くの学校や塾には医者がいないので、医者目線で常識を疑うことが難しいからです。「今のチーム医療がどう間違っていて、どう機能不全を起こしているか」、これは医者にしかわかりません。もし、一般的なチーム医療についてのみ指導されていたら悲劇です。採点者が医者の場合、「何もわかっていないな、この受験生は」と思うでしょう*。
 
 
*小論文の採点は、内容の深さではなく、論理展開の明快さが最重要です。矛盾なく論が展開し、全体としてシンプルなことが合格答案につながります。内容はありきたりでかまわないです。たとえ、医者にしかわからない深い内容を書いても、文章構成が矛盾だらけで複雑であれば、合格答案にはならないでしょう。
 
 
 
 
医学部志望者はいつでも受診してください。悩みも小論文も添削します。
 
 
 
 
石橋経由の箕面の滝は・・・今日は無理。池田→川西能勢口→宝塚のジョグ。復路もジョグと思いきや、疲れて電車へ。爆睡したら梅田。そして、ビール。美味い。
梅田 ビール 川西能勢口 宝塚 池田 石橋 箕面