明治13年創業の老舗すき焼き店、
浅草ちんやの6代目、住吉史彦さんが、
「適サシ肉」宣言をしました。
http://chinya-blog.com/?m=20170115
 
 
サシの入りすぎた牛肉より、適度なサシの牛肉にする、との宣言です。
 
 
サシ?
 
 
サシとは、赤身(筋肉)の周囲にある脂身ではなく、
赤身(筋肉)の中にマーブル状に入り込んだ脂肪のことです。
いわゆる、霜降り肉には、サシがいっぱい入っています。
 
 
さて、レストランにて
「A5ランクの松坂牛をご用意しました」
と言われたら・・・
 
 
「どうでした?」
と聞きましょう。
 
 
「(そのA5ランクの牛肉、味見して)どうでした?」
と聞きましょう。
 
 
(なぜ? 味見?)
(A5ランクなんだから、それはそれは、美味しんじゃないの?!)
(てゆうか、味見して旨いから、A5なんでしょう?!)
(そのはずですよね?)
 
 
次のやりとりを読んでください。
 
 
質問1
A5の牛肉が美味いって、誰が決めたんだっー?
 
 
回答1
味見する前に、A5って決まるんだよー!
 
 
 
 
今日は、この喜劇(悲劇)を皆さまにお伝えします。
 
 
結論から申し上げます。
牛肉のランクは
 
 
 1 経済効率(歩留等級)
 2 見た目(肉質等級)
 
 
で決まります。味ではありません。
 
 
「え、誰も味見してないんですか?」
「はい、誰も味見せずに、ランクを決めています」
 
 
 
 
経済効率(歩留等級)は、A>B>Cで表されます。
一頭の牛から、どれだけ食べられる肉が残ったかの指標が歩留等級です。
 
 
見た目(肉質等級)は、4つあり、5>4>3>2>1で表されます。
 
 
 サシがマーブル状になっているか(牛脂肪交雑基準:beef marbling standard)
 サシの光沢(牛脂肪色基準:beef fat standard)
 赤身の色(牛肉色基準:beef color standard)
 牛肉の決め、締まり
 
 
これらを1-5で評価し、一番低い点数を肉質等級とします。
 
 
 
 
「適サシ肉」宣言とは、
実際食べてみて、美味しくてお値打ちなものを出す宣言なんですね。
誰も味見して等級を決めているわけではないのだから、
A5でも、A3でも、味わってから買うのが正解です。
ランクの優劣で、味の優劣を決めつけた脳では、本当の味を判断できません。
 
 
早朝や深夜、
止まっているエスカレータを登ったり、
降りたりしたこと、ありますよね。
 
 
止まっていると分かっているのに、
稼働している時のように足が動いてしまい、
冷やっとする、あの違和感…
 
 
そうです。脳は騙されやすのです。決めつけてしまうと、
さらには、決めつけたことさえ忘れてしまうと、
分かっていても、身体は言うことを聞きません。
本来あるべき行動ができなくなります。
 
 
牛肉のランク付けから、認知行動療法の難しさを思う一日でした。
 
 
 
 
さて、さて、昨今の赤身ブームは、反霜降り肉的な盛り上がりを見せています。
アカミストとの単語もあるようです。
 
 
米沢牛の大ファンから言わせると、霜降りがダメとは思いません。
牛肉の料理の仕方、味わい方で、赤身、霜降りを使い分け、食すのがいいと思います。
 
 
 脂を味わうなら霜降り
 筋肉を味わうなら赤身
 
 
と言ったところでしょうか。
 
 
 
 
なお、赤身で感動したのは、
カルガリーのホストファミリーが作ってくれたローストビーフです。
プライムリブと言ってました。
宝塚、川西能勢口、池田、石橋で、食べられるお店があると、
赤身の大ファンとして嬉しいのですが・・・。