医系小論文対策シリーズ
 第1回 医は仁術かつ算術
 第2回 宝塚と言えば、宝塚歌劇団?!
 第3回のトピックは新聞です。
 
 
 
 
結論から言います。
 
 
 
 
新聞を読むとバカになります。
 
 
 
 
(この医者は、またおかしなことを言ってるよ)
 
 
 
 
「おかしなことを言っている」と感じたということは、ちょっとは関心を持ってくれたようですね。狙い通りです。
 
 
 
 
それでは、このおかしな主張を相手に納得させるには、どうしたらいいでしょうか。それを考えるのが医系小論文対策シリーズです。先ずは、以下のような論を展開させます。
 
 
 
 
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1 非常識な結論を提示する。
 新聞を読むとバカになる(何で?何で?と読者の気を引く)
 
2 常識の確認
 新聞を読むと為になる(親や教師からよく言われた)
 
3 常識の否定
 記者は野次馬のプロであり、その分野の専門家ではない。実務経験もない。言い換えれば、記者は素人である。素人が書いた文章は正確ではないこともある。
 
4 非常識な結論を再度強調する
素人が書いた不正確な記事を鵜呑みにするとバカになる
 
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(新聞は、必ずしも正しいことを書いてないってこと?)
 
 
 
 
その通りです。
 
 
 
 
新聞記者(素人)が書いた医療記事を読むたびに、多くの医者はため息をついています。実情に沿っていないからです。
 
 
 
 
医者(わかる~)
 
 
 
 
(たしかに記者は素人だからね)
 
 
 
 
その通りです。記事の内容に関して、専門教育を受けてなく、かつ実務経験も一切ありません。
 
 
 
 
(そんなんで、よく書けるね、記者は)
 
 
 
 
その通りです。きっちり、ちゃんと書けてないです(笑)。でも、ここが新聞記者の存在意義でもあります。新聞記者は野次馬の天才なんです。
 
 
 
 
(それ、褒め言葉じゃないからっ笑)
 
 
 
 
いや、新聞記者は、そう言われて嫌な気はしないと思います。「バレたか〜」とは思うかもしれませんが・・・。
 
 
 
 
(馬鹿にしてるでしょっ笑)
 
 
 
 
いいえ、新聞を鵜呑みにすると馬鹿になると言ってます。
 
 
 
 
(上手く逃げたねっ)
 
 
 
 
野次馬の天才(新聞記者)の名誉のために言うと、記事の内容はそんなに悪くないです。経験したことがない分野を取材だけで書いた割には、ちゃんと書けていると思います。そこが記者の記者たる所以です。
 
 
 
 
(上から目線が過ぎるでしょっ!)
 
 
 
 
勿論、上からです。ジョジョ風に言えば「貧弱!、貧弱ゥ!」
 
 
 
 
ジョジョ愛は分かったから)
 
 
 
 
医療分野に関しては、記者より医者の方が段違いで知識も経験もあります。
 
 
 
 
(だからこそ、新聞の嘘を見抜けるんだっ!)
 
 
 
 
その通りです。嘘を見抜くだけじゃないです。
 
 
 
 
(えっ、まだあるの?!)
 
 
 
 
記者の意図、つまり、新聞社の意図が見えます。
 
 
 
 
(新聞社に意図なんてあるの?)
 
 
 
 
勿論あります。何のために嘘や誤りを使うのか、そこには理由があるからです。
 
 
 
 
(たしかに、理由なく嘘をつくなんてありえない)
 
 
 
 
新聞社の仕事の1つに、お上の意向を効率良く国民に伝える役目があります。
 
 
 
 
(マスコミは権力者の道具でもあるんだね)
 
 
 
 
その通りです。特定の権力者が国民を洗脳する時にマスメディアは有用ってことです。
 
 
 
 
(あぁ、戦争の時もそうだった・・)
 
 
 
 
その通りです。日本史の近代史で学びました。
 
 
 
 
兎に角、権力者による洗脳から逃れるためには、新聞を鵜呑みにしない知識が必要だってことです。
 
 
 
 
(なるほど、つながってきたぞ)
(でも、今の日本は自由でしょう!時の首相の批判しても逮捕されないじゃんっ)
 
 
 
 
確かに、逮捕はされないですね。
 
 
 
 
因みに、国境なき記者団が発表した報道の自由度ランキング2017によると、日本は前年61位から後退し72位/180カ国です。「日本は自由だ!」なんて、ホントでしょうか。「記者クラブ 問題」でググってみてください。言いたいことも言えない世の中です・・・涙
 
 
 
 
(えー、知らなかったっ!)
 
 
 
 
(熟考中)
(熟考中)
(熟考中)
 
 
 
 
(あー、わかってきた。「新聞=真のジャーナリズム」と盲信すると、新聞記事を鵜呑みにしてしまう。その結果、それが洗脳記事かどうかを判断できない。)
 
 
 
 
その通りです。
 
 
 
 
(もっと、わかってきたぞ。特定の分野を熟知したら、その分野の記事の嘘や誤りを見る抜けるんだ。そして、新聞に嘘や誤りがあると実感できれば、自分が不慣れな分野の記事を読む時でも、ひょっとしたら、嘘や誤りが無いかと批判的に読めるんだ。
 
 
 
 
その通りです。
 
 
 
 
(完全に理解したぞ。嘘や誤りを見抜けば、新聞社の意図が分かるんだ。特定の権力者による洗脳を回避できるかもしれない!)
 
 
 
 
Excellent!
 
 
 
 
それでは実例を示します。この文章の最後に解説を加筆したものを再掲します。

診療報酬 医師人件費 厚労省 医療費削減
2017年10月30日日経新聞朝刊

(同じ記事の中なのに、診療報酬が2つの意味で使われてるね)
 
 
 
 
そうですね。特に、グラフの中で「診療報酬=医者の人件費」としているところが最も悪質です。言っておきますが、診療報酬改定の度に、我々医者の給与は変わっていません。
 
 
 
 
日経新聞あるあるですが、日経は「騙すグラフの作り方」がエゲツない印象です。経済記事も同様に注意!日経だから経済記事は正確だと思ったら大間違いです。記者は経済にも素人です。経済系の教授に聞いてみてください。
 
 
 
 
(なるほど、「日経読んで社会人」だと思ったら痛い目にあうね)
 
 
 
 
その通りです。批判的に吟味するのがベースラインです。正しい定義は以下。
(正)診療報酬=医療サービスの公定価格
(誤)診療報酬=医者の人件費
 
 
 
 
(医者は高給取りなイメージがあるから、腹立つよね)
 
 
 
 
その通りです。その悪いイメージを利用して、国民を洗脳するために「診療報酬=医者の人件費」と言った悪意のある言い換えをしているのです。
 
 
 
 
(今回の洗脳の目的は何なの?)
 
 
 
 
ズバリ、医療費削減です。
 
 
 
 
診療報酬の大部分は国が負担しています。財政健全化のために、増え続ける医療費を削減したいのです。
 
 
 
 
(じゃ、すればいいじゃん)
 
 
 
 
していいんですか?
 
 
 
 
(いいですよっ)
 
 
 
 
診療報酬が下がれば、国全体の医療費が下がります。患者の窓口負担も減ります。それでもいいですか?
 
 
 
 
(良いこと尽くめじゃんっ)
 
 
 
 
加えて、安かろう悪かろうの医療になりますよ。因みに、診療報酬が下がっても、国民の負担は増えるでしょう。超高齢化社会です。医療費は決して減りません。これからの時代、税金・社会保障費をたんまり搾り取られたとしても、受ける給付は縮小し続けます。
 
 
 
 
(えー、それはダメ、絶対)
 
 
 
 
そうですよね。診療報酬を下げたって安かろう悪かろうの医療になるなら、国民が許すはずないです。
 
 
 
 
(許しません。今の安かろう良かろうの医療水準でお願いしたいです)
 
 
 
 
そうですよね。だから、診療報酬を下げる、医療費を下げる政策は、国民の支持を得にくいんです。
 
 
 
 
(熟考中)
(熟考中)
(熟考中)
 
 
 
 
(あー、わかったぞ。「診療報酬=医者の人件費」と悪意ある言い換えをすれば、高所得者の医者を懲らしめるために「医者の給与削減」と国民が賛成してくれるんだ。国の本当の目的は痛みを伴う医療費削減なのに、まんまと騙されてしまう)
 
 
 
 
その通りです。ただ、医者を懲らしめるつもりが、自分の首を締めることになります。それに気づいてない状態に誘導されたのです。これが、新聞社がよく使う洗脳の一例です。
 
 
 
 
(うぐ〜、他にも騙されているところがあるんだろうなぁ、悔しいー)
 
 
 
 
その通りです。いっぱいあると思って間違いないです。気づいていないだけです。心地よく騙されているだけです。
 
 
 
 
(こわ~)
 
 
 
 
だから、新聞記者は天才だと言ったでしょ。
 
 
 
 
先ずは、自分の得意とする専門分野の記事を読み、新聞記者の嘘を見抜きましょう。それから、非専門分野の記事にも「嘘がきっとあるはずだ」と批判的に記事を読みましょう。
 
 
 
 
(先ずは、自分の得意とする分野があると良いんだな)
 
 
 
 
最後に、今回の実例にコメントしたものを再掲します。緑の大枠内を読めば、この新聞記事の問題点がつかめます。
日経新聞 診療報酬 医師の人件費
2017年10月30日日経新聞朝刊

石橋駅から箕面駅までが最近のお気に入りです。ちょうどよい距離。箕面でお茶も出来ます。スポーツの秋ですねぇ。